■東京2025世界陸上競技選手権大会(15日、国立競技場)
男子3000m障害の決勝で三浦龍司(23、SUBARU)が8分35秒90で2大会連続の入賞を果たし、8位。最後までメダル争いを繰り広げ、国立競技場の大観衆が熱狂した。前回大会6位の三浦は今年7月のダイヤモンドリーグモナコ大会で自身の日本記録を6秒以上更新する8分03秒43をマーク。今季世界3位の記録を持って今大会に臨んでいた。
予選後「メダル争いに食らいついていきたいと思ってます」とレース後に語っていた三浦。迎えた決勝の大一番、世界陸上3連覇を狙うS.エル バカリ(29、モロッコ)、世界記録保持者のL.ギルマ(24、エチオピア)ら世界最高選手との激突となった。大きな拍手でトラックに入ると落ち着いて引き締まった表情で前を向いた。
ファイナリスト紹介でも大歓声を受け、手を振って観衆に応えた。スタートがやり直しとなったが、三浦は冷静に中団につけた。3連覇を狙うエル バカリは最後尾でレースを進めた。スローペースの展開にも三浦は周囲を確認しながら、落ち着いたレース運びで800m付近で4番手に付けた。1500mでも仕掛ける選手はおらず、静かな展開が続いた。
1900m付近で徐々にペースが上がったが三浦はしっかりついていった。2200mでスピードが上がると三浦も中団から外にふくらみスピードアップ。ラスト1周の鐘がなると短距離勝負となり残り300mでスパート。徐々に順位を上げていった。最後の水濠を越えると3位に上がった。世界のトップ選手との競り合いを見せてラストの障害へ入った。
メダルも見えたが、最後の障害の着地でタイミングが合わずに失速、直線でスピードが生かせずに8位。日本史上初となるメダルこそ逃したが、粘りの走りで2大会連続入賞を果たした。
レース後に三浦は「勝ちたかったんですけど、観客の声がもう地響きかのような、もう鼓膜破れるんじゃないかっていうくらいもうここはもう内側から震えるような歓声をいただいて、もう絶対にメダル獲得していける、そんな自信もあったんですけど、本当に最後、おしいところで皆さんの期待に答え切ることができなくてすごく悔しいです」と悔しさを滲ませた。
それでも「東京世界陸上を経験することができて、この観客に囲まれて走ることができてすごく幸せでした」と話し、多くの歓声には「いままで一番最高です」と口にした。
「残りのもう数十メートルだったので、(メダルが)見えてたので、届くかなと思ったんですけどやっぱ思うようにはいかなかったなっていう感じですね」と振り返り「間違いなく手応えはありますし、東京世界陸上を踏まえて、またさらに自分は成長できるんじゃないかなと思うので、この大会はすごく自分にとって大きなものになりました」と手応えを感じていた。
【男子3000m障害 結果】
金)G.ビーミッシュ 8分33秒88
銀)S.エル バカリ 8分33秒95
銅)E.セレム 8分34秒56
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8位 三浦龍司 8分35秒90
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