
生命保険協会の高田幸徳会長(住友生命保険社長)は19日の記者会見で、代理店への出向者による不適切な情報持ち出しなどがなかったかを住友生命内で調査していることを明らかにした。生命保険協会としては代理店出向に関するガイドライン(指針)などを提示する一方、協会による調査は実施しない考えを示した。
現時点では不正競争防止法に抵触する情報持ち出しは確認されていないという。情報の持ち出し自体はあったのかという質問に対しては「その点も含めて調査中」(高田会長)と述べた。
生命保険協会は19日、代理店出向に関する指針を公表した。過度な便宜供与をしていないかを判断する基準の策定を求めたほか、適切性が確認できない場合は代理店に出向者を派遣しないよう求めた。高田会長は「各社が自主的に調査するのが適正だ」と述べ、協会としての調査は実施しないとした。
生命保険業界では、日本生命保険から三菱UFJ銀行への出向者が同行の内部情報を無断で持ち出す問題が発覚していた。第一生命保険でも出向者による内部情報の無断持ち出しが判明するなど、不適切な情報取得が業界全体で広がっている可能性が指摘されていた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。