大阪・関西万博で自動運転の水素燃料電池トラクターを初公開した(22日、大阪市)

クボタは22日、水素燃料電池を動力源とする無人の自動運転トラクターを大阪・関西万博で初公開した。農業分野での脱炭素化と省人化の両立を目指す。同社によると、自動運転機能を搭載した水素燃料電池のトラクターは世界初という。

トラクターは運転席がない出力100馬力の中型タイプで、障害物を検知する人工知能(AI)カメラなどを搭載している。周囲の人だけでなく雑草なども判別する。無人の自動運転や遠隔操縦で走行し、農地内だけでなく、格納庫と農地までの間なども自動で移動できる。

水素と酸素によって生まれる電気エネルギーを動力源にモーターを回して走行する。排出されるのは水のみのため、環境への負荷が小さい。市場投入の時期は未定で、今後は農地などで実証実験を進める。トラクターは開催中の大阪・関西万博の会場内で25日まで展示する。

クボタはこれまで燃料電池のトラクター開発を進め、24年に実機を公開した。今回は自動運転の機能を搭載しただけでなく、水素の搭載可能量などを増やすとともに、走行用と作業用とでモーターを分けることで効率的な作業を実現した。

クボタの風間勇・カーボンニュートラル技術チーム長は「これまで培った農機や水素、自動運転の技術を融合することで開発できた。万博で披露できたことも非常にうれしく思う」と話した。実用化には農地間の公道での無人走行を可能にする規制改革や水素の供給体制などが課題となる。

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