日銀が来月1日に発表する9月の全国企業短期経済観測調査(短観)に関し、民間シンクタンクなど13社の予測が22日までに出そろった。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)の平均は、大企業製造業で前回6月短観から1ポイント改善のプラス14と小幅改善を予想。日米の関税交渉の合意を受け、警戒感が和らぐと見込んだ。

DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。日銀は、今回の短観を踏まえ、米関税政策が経済・物価に与える影響を精査し、追加利上げの時期を探る考えだ。

大企業製造業のDIはトランプ米政権が今月、自動車や同部品の追加関税を引き下げたことなどを反映した。ただ、米関税政策は「引き続き景況感の重しにはなっている」(みずほ証券)といい、改善のペースは鈍い。

こうした状況を反映し、先行きは現状から1ポイント悪化の13。世界経済の減速に伴い「輸出が多い加工業種を中心に弱含む」(日本総合研究所)とみられている。

大企業非製造業DIは、前回調査から1ポイント悪化のプラス33。高水準を維持するものの、訪日客需要は「既に頭打ちの状況」(農林中金総合研究所)との見方が多い。物価高の長期化や人手不足も逆風となる。

日銀本店=東京都中央区(AFP時事)

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