日立製作所は23日、クラウド技術や人工知能(AI)の導入支援を手掛けるドイツのシンバートを買収すると発表した。データ分析技術のコンサルティングに強みを持ち、鉄道や電力など日立が抱える顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする。買収額は非公開だが、数百億円規模とみられる。
ドイツのプライベートエクイティ(PE)ファンド、マックスバーグ・キャピタル・パートナーズからシンバートの全株式を取得する。2025年度末までに買収を完了する見込みで、日立グループでDX支援を手掛ける米グローバルロジックの傘下に置く。
シンバートは1991年設立で、システムエンジニアやコンサルタント、データアナリストなどを中心に約550人の従業員を抱える。企業が自社で保有するデータを収集し、AIなどで分析するデジタルプラットフォームの導入支援に強みを持つ。ドイツやスペイン、ポルトガルなどの欧州、アラブ首長国連邦(UAE)などの中東地域を中心に拠点がある。
日立は鉄道の運用にAIを取り入れ、車両の故障を未然に防ぐなど安定稼働させることで継続収益を得るデジタルサービス「HMAX」の導入を進めている。シンバートの買収により高い技術力を持つエンジニアの層を厚くし、鉄道のほか電力など別の産業領域にもサービスを広げる。

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