人工知能(AI)が浸透する時代に、人間社会が大切にすべき「価値観」について考える「第1回京都会議」が23日、京都国際会館(京都市)で始まった。国内外から集まった哲学者や経営者ら約200人が、民主主義や産業、文化などの観点から、AIが影響する社会の方向性を探った。
産学官でつくる京都哲学研究所(KIP)の主催。基調講演に立ったKIP共同代表理事の出口康夫・京都大教授は、「価値」とは「私たちの物理的な行動に特定の方向性を与える矢の役割だ」とAI時代に問い直す意義を説明。社会課題が複雑化していくなかで、個々人が持つ「価値観」を尊重し合う「価値多層社会」を実現することが重要と話した。続いて登壇したドイツの哲学者マルクス・ガブリエル氏は、「AIの時代において我々は道徳的進歩をしていくべきだ」と指摘した。
会議ではこのほか、生産性の向上が注目されがちなAIを取り入れる企業の姿勢や、芸術とAIが結びついたときに垣間見える人間らしさなどについて意見が交わされた。会議は24日まで。
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