
キリンビールは25日、10月1日付でマレーシアで完全子会社を設立すると発表した。東南アジアでの酒類販売やマーケティング、商品開発などを担う。国内の飲酒人口が減少しているなか、日本ブランドの支持が根強い東南アジアで新たな活路を見いだす。
「KIRIN BREWERY SOUTHEAST ASIA(KBSEA)」を立ち上げる。日本で販売しているビール「一番搾り」や缶チューハイ「氷結」、ウイスキー「富士」などの商材を扱う。既に展開しているシンガポールやマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシアのほか、新たにベトナムやカンボジアにも進出する。
日本の本社から派遣する駐在員を含め5人体制とする。これまでは親会社のキリンホールディングス傘下でシンガポールに拠点を置く子会社が東南アジアでの酒類事業を担っていたが、キリンビール傘下のブランドはKBSEAに移管する。
25日に開いた記者会見でキリンビールの堀口英樹社長は「東南アジアでの需要を吸い上げ、商品投入やマーケティングなど迅速な意思決定を進める」と話した。現在は日本や中国の工場から輸出販売しているが、将来は東南アジアでの生産も検討する。
キリンビールは1980年代の北米進出を手始めに、海外ではアジアや北米、欧州を中心に展開している。2035年12月期には海外売上高を24年12月期比2倍超の1000億円とし、海外事業の売上比率を2割(24年12月期は7%)に引き上げる計画だ。
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