JR東海は25日、ドローンが一定以上の速度で、トンネル内の長距離を自動飛行できる制御手法を開発したと発表した。これまで係員が目視で対応してきた設備点検や異常時の情報収集での活用を検討する。今後の労働力人口の減少を見据え、作業の省力化に役立てる。

トンネル内を飛行するドローンには、光で障害物を検知する「LiDAR」などが用いられる。ただ、空間を3次元でとらえる3DのLiDARセンサーを採用する既存の手法では、空間の複雑な情報処理が必要となる。時速10キロメートル以下の低速飛行となるため長距離の自動飛行が難しく、長いトンネルの設備点検には向いていなかった。

JR東海は2DのLiDARセンサーを2台搭載し、センサーから得られた平面上のデータを分析してドローンの動きを制御する手法を取り入れた。複雑な情報処理の必要がなくなり、飛行試験では時速30キロメートルで距離10キロメートル程度の自動飛行が実現できたという。

25日の定例記者会見で丹羽俊介社長は「様々な構造物があるトンネル内でも安定した自動飛行ができるか検証を続けたい」と話した。

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