
「スフィンゴ脂質」がカギ
群馬大発のベンチャー企業「グッドアイ」(群馬県桐生市)が、県特産のコンニャクイモから抽出した成分を活用したサプリメントを開発した。同社は「アルツハイマー型認知症の予防が期待できる」としており、年明けの発売を目指す。【福田智沙】
同社によると、この成分は「スフィンゴ脂質」。北海道大学のチームの研究では、スフィンゴ脂質をマウスに経口投与すると、脳内からアルツハイマー型認知症の原因と考えられているたんぱく質の「アミロイドβ」が減少し、認知機能が改善すると報告されている。

スフィンゴ脂質は、実はコンニャクイモを加工する際に捨てられる皮に多く含まれている。そこで同社は群馬大大学院と5年をかけて研究。サプリメントとして効率よく摂取できるよう、水に溶けやすくしたスフィンゴ脂質を特殊なカプセルに入れて小腸で吸収させる技術を考案し、特許出願した。
サプリメントは1日1回2~3錠、就寝前に飲む。価格は60錠入りで数千円程度にしたいという。ネットなどで販売し、収益の一部は、販売価格の低迷に苦しむこんにゃく農家に還元する方針だ。同社は今後の研究費を調達するため、クラウドファンディングを実施中で、返礼品にサプリメントを用意している。
群馬大副学長で同社の板橋英之会長は「サプリの一番の効果は予防。飲み続けることによって、アルツハイマー型の認知症をかなりの確率で減らせるのではないかと期待している」と話し、将来的には創薬につなげたいとしている。
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