学研HDが運営するデイサービス(東京都立川市)

学研ホールディングス(HD)は26日、日本生命保険と資本業務提携を結んだと発表した。日本生命から発行済み株式の約2%にあたる約9億円の出資を受け入れる。日本生命は訪問介護や老人ホーム運営のニチイホールディングス(HD)を傘下に持つ。介護用品の流通を共同で手掛けるなどし、医療福祉分野での連携を強化する。

年内にも介護事業における「共同購買プラットフォーム」で連携する。学研HD傘下で介護用品の流通を手掛けるプロパティ・ケア・パートナーズ(さいたま市)が担う。物品の調達や施設の修繕サービスを共同で調達し、両社とも5%程度のコスト削減ができると試算する。

物価高や賃上げで介護業界の収益性が下がるなか、スケールメリットを生かしたコスト削減で持続可能性を高める。他の介護事業者にもプラットフォームの提供を広げる。

記者会見で話す学研ホールディングスの山本教雄取締役上席執行役員(26日、東京都品川区)

学研HDの山本教雄取締役上席執行役員は26日の記者会見において「日本生命の持つ地銀や行政とのネットワークを活用し、数年後にはグループ全体で取扱高100億円を目指す」と話した。

教育事業での連携も進める。ニチイHDの保育施設で学研HDの教材や課外教室の提供も検討する。少子化で教育事業の対象となる若年人口が減少するなか、日本生命が持つ1500万人以上の顧客を生かし、収益基盤を強化したい考えだ。

学研HDは傘下の学研ココファン(東京・品川)やメディカル・ケア・サービス(MCS、さいたま市)が高齢者向け施設を運営する。24年9月期の医療福祉事業の売上高は875億円で、全体の47%を占める。日本生命も24年のニチイHD買収を皮切りに、ヘルスケア事業を強化している。

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