
東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働を巡り、資源エネルギー庁の村瀬佳史長官は29日、10月まで開かれる新潟県議会の9月定例会に出席し、事故時の住民避難や地域振興策について国の取り組みを説明したいと県議会側に申し出た。新潟県での議論を加速させ、再稼働の焦点となる地元同意を促す狙いがあるとみられる。
県議会は申し出を検討する。関係者によると、申し出を受ける場合は10月16日に参考人招致する案が有力。
村瀬長官は3月にも新潟県議会で説明していて、県議からは事故時の対応を不安視する声や地域振興を手厚くするよう求める声が相次いだ。今回は前回の議論や8月の原子力関係閣僚会議での方針決定を踏まえ説明する考えだ。県議会は30日に各党会派の党議に付した上で、10月2日の各党会派代表者会議で対応を決める。
県議会では10月に東電の小早川智明社長や内閣府の原子力防災担当を参考人招致する案も浮上し、調整が始まっている。最大会派の自民党県議からは「説明を受け、再稼働に向けた議論が大幅に前進する可能性がある」と期待する声が聞かれる。
東電は10月中旬にも柏崎刈羽6号機が技術的には再稼働が可能な状態になるとして、今冬の再稼働に意欲をみせる。新潟県の花角英世知事が自身の判断を表明する前に必要な工程と位置づけた県民意識調査の結果は10月末ごろにまとまる。
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