
三菱マテリアルは2025年度下期(10月〜26年3月)に生産する銅の量を上期(25年4〜9月)比で約14%減らす。1日発表した下期の生産計画で明らかにした。同社の銅生産の半分を担う小名浜製錬所(福島県いわき市)で生産量を約25%削減する。銅製錬事業は中国の影響で利益を出しづらい状況が続いている。銅製錬の副産物の金と銀も減る見込みだ。
8月に発表していた縮小計画について、具体的な減産率を固めた。26年度以降の長期での減産率は今後検討する。
同社では小名浜製錬所と直島製錬所(香川県直島町)で銅製錬を手掛けており、2拠点を合わせると下期は上期比14%減の月産3万701トンとなる。副産物の金と銀の生産量も上期比でそれぞれ38%減、17%減となる。小名浜製錬所などから得られる金・銀原料が減少する。
銅は銅鉱石からつくる方法と廃電子基板などのリサイクル原料からつくる方法がある。そのうち鉱石由来の銅製造では、中国で銅の製錬所が増えたため国内製錬会社が鉱石を調達する際の条件が悪化し、採算が低迷している。JX金属も銅の生産規模を縮小する方針だ。
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