
松屋は銀座店(東京・中央)で2日、全国10府県の特色ある布を使って空間を彩る芸術作品を公開した。銀座店の開店100周年記念と、地域振興の企画の一環となる。国内外で活躍するテキスタイル(織物)デザイナーの須藤玲子氏らが手掛けた。11月3日まで、吹き抜け空間をはじめ店内各所で展示する。
目玉は約25メートルある吹き抜けを生かした大型展示で、青を基調にした扇形の布が空間を彩る。京都府の絹織物「丹後ちりめん」や山梨県の絹織物「郡内織」など様々な布が使われている。3〜5階のエスカレーター近くには、作品に使われた布に触れ、製造現場の映像を見られる展示コーナーも設けた。
布や織物で作った扇で空間を装飾する作品は須藤氏の代表作だ。フランスを拠点に活動するデザイナー、アドリアン・ガルデール氏が展示デザインを手掛け、ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ舞台芸術センターなど国内外で披露されてきた。
松屋は「地域共創」をテーマに、これまでも青森県のねぶたや徳島県の藍染めなど、各地の名品を生かした装飾展示を企画してきた。顧客販促部で地域共創事業の責任者を務める柴田亨一郎氏は「日本の織物は世界に誇れるものだが、国内でも意外と知らない人が多い。触れる展示などを通じ、体感してほしい」と語った。
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