中国EV大手・BYDのロゴマーク

 中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が2025年のEV販売台数で、米テスラを抜いて初の世界首位となる見通しとなった。BYDは1日に発表した1~9月のEV販売台数が前年同期比37%増の約161万台だったのに対し、テスラは不買運動の影響で6%減の約122万台にとどまった。残り3カ月でBYDを追い越すのは難しい情勢だ。

 BYDは23年10~12月期の販売台数でテスラを抜いて4四半期ベースで初の世界首位となったが、年間ベースでは初めてとなる。24年はテスラ約179万台に対し、BYDが約176万台と猛追していた。

 テスラは年明け後、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治的言動に対する反発で不買運動が広がり、販売の前年割れが続いていた。2日発表した25年7~9月期は前年同期比7%増の49万7099台と持ち直したが、EV購入を巡る米政府の税制優遇措置が9月末で廃止されることを受けた駆け込み需要の影響がありそうだ。

 一方、BYDも中国国内の値下げ競争の激化で足元では苦戦気味で、プラグインハイブリッド車などを含む9月の新車販売台数は1年7カ月ぶりに前年実績を割り込んだ。【北京・松倉佑輔】

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