
ロイター通信は3日、トランプ米政権が米国で自動車を生産する大手企業に対し、更なる関税負担の軽減措置を近く決定する見通しだと報じた。米国内に工場を置くトヨタ自動車やホンダなどが対象で、関税コストの多くを相殺できる制度になり得るという。共和党上院議員と業界関係者の話として伝えた。
ロイターによると、議員は軽減措置の対象企業としてトヨタとホンダのほか、米自動車大手のフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)、電気自動車大手テスラを挙げた。いずれも米国での生産比率上位の完成車メーカーだ。米国内での生産で地元の経済や雇用を支える企業を優遇することで、米国での生産を後押しする狙いがある。
トランプ政権は5月、自動車部品に対して25%の関税を発動した。その一方で、自動車業界の関税負担軽減を目的に、米国で組み立てた車両の小売価格の一定割合を免除する制度を導入した。免除割合は2026年4月まで3・75%、同5月から27年4月まで2・5%に縮小する予定だった。
トランプ氏は免除割合を3・75%に据え置いたうえで、負担軽減の期間を5年間に延長し、自動車だけでなくエンジンへの適用対象拡大を検討しているという。
ロイター通信に対し、共和党上院議員は一連の措置が決まれば、自動車メーカーにのしかかる関税コストの大部分を相殺できる可能性があると主張するが、実際にどの程度の負担軽減につながるかは不透明だ。
トランプ政権による自動車への関税は4月、従来の税率に上乗せされる形で発動した。乗用車の関税は2・5%から27・5%に引き上げられた。日本と欧州連合(EU)に対しては9月、関税交渉を経て、8月にさかのぼって15%への引き下げを適用する形で発効している。【浅川大樹】
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