
食べても口の中が黄ばむ心配がない--。愛知県武豊町の醸造会社「泉万醸造」が、白色のレトルトカレー「ホワイティースカレー」(税込み367円)の販売を始めた。
開発したのは社員の外山哲也さん(47)。きっかけは若手社員の「歯科矯正中でも食べられるカレーがほしい」という一言だった。確かに普通のカレーは歯や歯科矯正への着色が気になる。「これだ!」と直感した外山さんは、食べても着色しない白いカレーの開発を思いついた。

ただ、道のりは険しかった。約300種のレトルトカレーを開発、販売する同社だが、白いカレーを手がけるのは初めてだった。
こだわったのは「白さ」と「カレーらしさ」だ。具材は鶏肉とエリンギで白色に統一。着色しやすいスパイスを避けながらカレーらしさを出すことや、高温加熱したときに茶色く変色する褐変(かっぺん)などのハードルを乗り越えた。完成までに2年半を費やして9月から売り出した。
白いカレーの見た目はシチューのようだが、食べるとスパイスの風味が口いっぱいに広がる。口内の着色だけでなく、服に付いても気になりにくいという。外山さんは「白くておいしく、物珍しさがある。多くの方に手に取ってもらえたらうれしい」と話している。【荒木映美】
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