韓国・現代自動車傘下のキア(起亜)が日本市場に本格参入する。第1弾として来春、中型の電気自動車(EV)バン「PV5」の販売を開始。日本メーカーの品ぞろえが手薄な中型EVバン市場で、物流やタクシー事業者など商用ニーズの取り込みを図る。
日本のEV市場は、足元ではインフラ整備の遅れなどから伸び悩んでいる。しかし、自動運転など先端技術と連携しやすいEVの将来性を見込み、日系各社も車種拡充を進めており、競争は一段と激化しそうだ。
キアのキム・サンデ副社長は9月30日、ソウルで行われた報道陣向けの発表会で、「日本メーカーは電動化でかなり遅れている。キアにとって大きなチャンスだ」と自信を示した。
「PV5」は、キアがグローバルで展開する「PBV」シリーズの一つ。用途や好みに応じ、座席のレイアウトやバッテリー容量などを変えられるのが特徴で、商用のほかキャンプや車中泊用に一般向けにも販売する。2026年に1000台、翌年2000台の販売を見込み、28年にはより大型のバン「PV7」なども投入する計画だ。
キアは1990年代に日本に研究開発拠点を設置したが、13年に撤退した経緯がある。昨年9月、大手商社の双日と販売総代理店契約を締結。懸案だった販売促進やアフターサービスを同社に託し、「再挑戦」する。
韓国の自動車メーカー「キア」が来年春に日本で販売するEVバンのイメージ(同社提供・時事)
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