
電子情報技術産業協会(JEITA)は7日、14日に開幕するデジタル技術の見本市「CEATEC(シーテック)2025」の出展が810社・団体になったと発表した。07年、01年に次いで過去3番目に多い。人工知能(AI)を活用した技術や製品が全体の半数を占めるとみられる。
スタートアップ企業や大学の研究機関の出展は前年比2割増の232社・団体と過去最高となった。全体のうち新規出展の比率は39%に上る。
7日には開幕に先立って優れた製品や技術を表彰する「CEATEC AWARD 2025」を発表した。

「総務大臣賞」にはシャープが開発中の超小型・軽量の衛星通信端末が選ばれた。船舶やドローンなどに搭載し、安定した通信環境を実現する。山地や海上など通信が不安定なところでも通信回線を確保でき、災害時などでの利用を見込む。
「経済産業大臣賞」はNTTドコモが開発した痛みを他人と共有できる技術が受賞した。痛みを感じた本人の脳波をもとに、衝撃やグラフで痛みを再現する。
同じ強さの衝撃でも人によって感じ方が異なるため、本人と同じ痛みを感じられるように共有する相手ごとに強弱を調整する。医療の診断支援やボクサーのパンチを体験するエンターテインメント向けなど幅広い用途を想定する。


村田製作所のマスクに装着するクリップ型の音声入力端末は「デジタル大臣賞」を受賞した。端末がマスクの表面の振動を検出して音声データに変換する。周囲の騒音に邪魔されずに会話できる。
CEATECの鹿野清エグゼクティブプロデューサーは「これまではAIそのものに関する受賞が多かったが、今回はAIエージェントを活用し、一般の方々にアドバンテージを提供する動きが多かった」と総括した。
CEATECは千葉市の幕張メッセで14〜17日に開催する。
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