MBO(経営陣が参加する買収)で株式非公開化を目指している太平洋工業は8日、同日までとしていたTOB(株式公開買い付け)期間を23日まで延長すると発表した。1株2050円のTOB価格は維持する。足元の株価はTOB価格を大幅に上回って推移している。応募状況を踏まえて買い付け期間を延長したようだ。
太平洋工業は株式非公開化を目指し、7月28日から創業家出資のSPCを通じたTOB(株式公開買い付け)を実施していた。当初は9月8日までを期限としていたが2回延長し、10月8日までを期限としていた。
太平洋工業はトヨタ自動車を主な顧客とし、車のタイヤに空気を入れるバルブ事業などを手掛ける。今回のTOBでは最低でも62.02%の株式取得を目指していた。
MBOの発表後、株価はTOB価格を上回って推移している。7日時点の株価は終値ベースで2647円とTOB価格である2050円を約3割上回る水準だ。延長の理由については株主に「更なる判断機会を提供し、本公開買い付けの成立可能性を高めるため」としている。
同社を巡っては、9月3日に旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントの保有が明らかになった。その後、買い増しを続け11.47%にまで保有比率が上昇していた。
エフィッシモは保有目的を「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと」としている。現時点でTOBへの賛否は明らかになっていない。
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