
長巻きトイレットペーパーの品質を高める技術をまねされたとして、日本製紙子会社の日本製紙クレシア(東京都)が大王製紙(愛媛県)に損害賠償や一部製品の製造差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は8日、1審に続いて特許侵害を否定し、日本製紙クレシア側の請求を棄却した。
長巻きトイレットペーパーは、取り換えの回数を減らせるメリットがある。日本製紙クレシアは「スコッティ」、大王製紙は「エリエール」の商品ブランドの中で長巻きの製品を展開。高密度に紙を巻いてコンパクト化するため特別な技術が必要とされる。

日本製紙クレシアは2017~20年、紙の表面に独自の凹凸を付け、長巻きにしても使用感を低下させない技術を開発したとして関連する複数の特許を取得した。大王製紙が22年4月に販売を始めた「エリエール i:na(イーナ) トイレットティシュー3・2倍巻」で、この特許が無断使用されたと訴えた。
1審・東京地裁判決(24年8月)は大王製紙と日本製紙クレシアの製品の凹凸は深さが違うとし、特許侵害は認められないと判断していた。【安達恒太郎】
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