マツダが開発した塗膜耐食性評価の測定器

マツダは8日、塗装部品の防錆(ぼうせい)性能を短時間で測定する技術の事業化に向けた検証を本格化すると発表した。塗料や塗装部品を手掛ける企業などを対象に、2026年から受託型の評価サービスの提供を目指す。自動車の開発や製造で培った技術を生かして、先行きが不透明な自動車産業に依存しない事業基盤を確立する。

同社は17年に塗装部品の防錆性能を短時間で評価する「塗膜耐食性評価」技術を実用化し、持ち運べる大きさの測定器を開発した。従来は数カ月を要した評価期間を数分から数十分に短縮した。一般的な目視の評価による基準のばらつきも解消できる。

まず企業が提供したサンプルを評価して報告書を納品する受託型サービスから始める。塗料の開発や選定にかかる期間を短くするほか、鉄塔や橋梁のような社会インフラの保全などでの活用を見込む。

需要に応じて、測定器を貸し出して結果をクラウド経由で提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型サービスの立ち上げも目指す。

マツダは24年に新規事業開発室を立ち上げた。電動化や自動化などで先行きが不透明な自動車のみに頼らない収益源の多角化を進める。同室の臼井久和主幹は「技術ポートフォリオを整理しながら、強みが生かせそうな領域を見極めていく」と語った。

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