
セイコーエプソンは9日、薄くて曲がる「ペロブスカイト太陽電池」をインクジェット方式で製造できる部品を2025年度内に発売すると発表した。耐久性を高め、部材を溶かす可能性がある強力な材料でも精密に噴射できるようにした。インクジェットを次世代電池の生産に使う動きが広がっていることに対応する。
ペロブスカイト太陽電池の材料をインクのように吹き付けるインクジェットヘッドの新製品「S3200-S1」を発売する。エプソンが出資し、ペロブスカイト太陽電池の製造装置などを手がける韓国ゴサンテックにも納める。
ペロブスカイト太陽電池は複数の薄い層が重なった構造をもつ。この薄い層をインクジェットで吹き付けることで成膜する方式が広がっており、パナソニックホールディングスやリコーなどの次世代太陽電池メーカーが採用している。
ペロブスカイト太陽電池の材料にはヘッドを傷める可能性がある材料も含まれ、性能が落ちることが課題だった。そこでエプソンは新製品で耐久性を高め、量産に使えるようにした。
エプソンは23年にも溶解性の高い溶剤に対応するインクジェットヘッドを販売している。新製品でラインアップを広げ、ペロブスカイト太陽電池の市場を開拓する。
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