三菱マヒンドラ系の勧告について記者会見する公取委中国支所の村重健太郎支所長㊥ら(9日、松江市)

下請け企業に金型などを無償保管させていたのは下請法違反にあたるとして、公正取引委員会は9日、農機メーカーの三菱マヒンドラ農機(松江市)の完全子会社であるリョーノーファクトリー(同)に、再発防止や保管費用の支払いなどを勧告した。

リョーノーは三菱マヒンドラなどから農機などの製造を受託している。リョーノーは下請けに部品の製造を委託し、量産に使う金型などを貸与していた。

公取委によると、リョーノーは遅くとも2023年10月以降、57事業者に対して長期間発注を行わないにもかかわらず、計8993個の金型などを無償で保管させていた。

このうち41事業者は企業規模では下請けに該当しない。だがリョーノーが三菱マヒンドラからの委託の相当部分を再委託しており、役員派遣などの支配関係もあることなどから下請けとみなす規定を適用した。

規定の適用は2006年の東陶メンテナンス(現・TOTOメンテナンス)への公取委勧告に次いで2例目で、19年ぶりとなる。

公取委は一連の行為について、下請法が禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」にあたるとして、リョーノーへの勧告に踏み切った。三菱マヒンドラにも、グループ全体で下請法の順守に取り組むよう申し入れた。

三菱マヒンドラは同日、「勧告と要請を厳粛に受け止め、必要な措置を実施しグループ全体で社内体制を再整備し、法令順守の徹底及び取引の適正化を図っていく 」とのコメントを発表した。

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