
日本工作機械工業会(日工会、東京・港)が9日発表した2025年7〜9月の工作機械受注総額(速報値)は前年同期比7%増の3863億円だった。プラスは4四半期連続となる。航空機部品や電気自動車(EV)関連を中心に海外向けが伸びた。トランプ米政権の関税政策の影響は価格転嫁が進んだことなどもあり限定的だったようだ。
海外向けは10%増の2761億円、国内向けは1%増の1101億円だった。牧野フライス製作所は一部に米関税影響が見られたものの、航空機器や宇宙関連向けの需要が好調だった。オークマも「関税影響が全くなかったわけではない」(担当者)としつつ、中国のEV向け需要が寄与し4〜9月の受注額が過去最高になったことを明らかにした。

日工会の担当者は「年初の目標に向けて緩やかだが増加基調にある」と説明する。米国の関税影響は「数字としてはそれほど影響がなく一段落した感覚がある」という。
9月単月の受注総額(速報値)は前年同月比10%増の1377億円だった。単月でのプラスは3カ月連続。ツガミ幹部は「先行きの不透明感もあり市場環境は良くない」とするものの、海外向けの電子部品関連や自動車関係が好調だったと振り返る。

海外向けは13%増の949億円だった。芝浦機械は中国で風力発電関連などが、北米ではエネルギー関連などがそれぞれ増え、海外向けの受注を4倍ほどに伸ばした。
国内向けは3%増の427億円で6カ月ぶりにプラスに転じた。「中堅・大手企業は堅調なものの中小・零細は(投資が)様子見の状況が続いている」(オークマ)という。
(日浅美希)
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