
農林水産省は10日、2024年度の食料自給率がカロリーベースで4年連続の38%だったと発表した。国産米の消費量が増加したものの、作況の悪化で国産小麦の消費が落ち込むなどして、自給率は横ばいとなった。小泉進次郎農相は記者会見で「1%を伸ばす大変さを感じている。寄与度が高いコメ需要を増やしていけるかが重要だ」と語った。
【コメ政策と食料安全保障】
- ・「令和の米騒動」で浮かんだ論点
- ・日本が自給率を重視する理由
政府は30年度までに45%への引き上げをかかげる。主要国ではオーストラリアが22年に247%、フランスが118%、米国が101%となっており、日本の低さが際立っている。
カロリーベースの自給率に関しては、1日の1人あたりの消費カロリーを2248キロカロリーとしてはじき出した。このうち国産分は860キロカロリーとなっている。自給率の増加要因としてはコメのほか、国産のサトウキビやテンサイの消費量の増加もあった。
品目別では重量ベースで、コメが飼料用も含めて97%だった。前年度から2ポイント低下した。小麦は16%、大豆は7%となっている。
全体の自給率は生産額ベースで見ると、前年度から3ポイント上昇の64%だった。コメの価格高騰などが背景にある。
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