ピッタンが開設した大阪・中之島の拠点(10日、大阪市)

人間の汗に含まれるアミノ酸などを解析する機器を手掛けるPITTAN(ピッタン、神戸市)は10日、最先端医療の拠点「中之島クロス」(大阪市)に研究拠点を新設したと発表した。あわせてベンチャーキャピタル(VC)やライオンなどから1億6000万円の資金調達をしたことも発表した。2026年3月ごろに量産の初期段階として150台の生産を見込む。

ピッタンのユーザーはまず、首元に水をしみこませたガーゼのようなパッチを貼り、3分間で皮膚から蒸発する微量の汗を採取。パッチを自社設計した専用の装置にセットし10分で解析を完了する。肌質についての分析リポートが自動で出力され、タブレット端末に表示する。肌の状態をスコア化したうえで4つの分類に分けて「季節の変わり目に肌荒れする」など、肌に起こりやすいことを挙げてアドバイスする。

ピッタンが開発した装置。汗を採取するパッチを貼ったあと、10分間で肌質の状態を解析する内容がタブレット端末上に表示された

今後は筋肉の状態についても解析できるようになるとしている。装置は卓上に置ける小型サイズだ。エステサロンやフィットネスジムなどに設置し、ユーザーの肌質や筋肉の状態を分析して改善方法などをアドバイスするといった使い方を想定している。装置の売り切りに加え、継続課金のサブスクリプションでの提供も検討する。

このほど調達した資金で中之島クロス内に拠点を設け、人材採用も加速する。登記上の本社も神戸市から大阪市に変更することを検討しているという。10日、記者会見を開いたピッタンの辻本和也最高経営責任者(CEO)は「関西の中心は大阪だ。特にこの中之島に拠点があれば、フラッと立ち寄ってもらって様々な企業とコラボレーションできる」と拠点開設の狙いを語った。中之島と同時に、香港にもハードウエアの開発拠点を設けた。

ピッタンは22年設立。今回の資金調達で第三者割当増資を引き受けたのは、VCのクオンタムリープベンチャーズや中信ベンチャーキャピタル、京都キャピタルパートナーズなど。調達した資金は量産に向けた設計や分析技術の開発に充てる。

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