万博の閉幕を前に毎日新聞のインタビューに応じる石毛博行・万博協会事務総長=大阪市此花区で2025年10月9日午後4時9分、岡崎英遠撮影

 日本国際博覧会協会(万博協会)の石毛博行事務総長が、大阪・関西万博の閉幕を前に毎日新聞の取材に応じた。新しい科学技術が披露され、将来に発展が期待される「芽」があったとの認識を示した。

大屋根「リング」はレガシーに

 万博が成功したかどうかは、主催者なので言及は控えたい。成功の必要条件として、大きな事故を起こさない▽収支が赤字にならない▽できるだけ多くの方に来ていただく――と言ってきた。それは、ほぼ満たせたと思う。

 大屋根「リング」は、この万博を象徴する側面があり、レガシー(遺産)の一つになると思う。「未来社会の実験場」がコンセプトだったが、空飛ぶクルマや、(視覚障害者を誘導する)AIスーツケース、iPS細胞など、将来に発展が期待されるさまざまな「芽」があったと感じている。

 ソフトのレガシーでいえば、今回の万博は、会場が狭く交通の制約もある中で、予約システムを導入して徹底した入退場管理をした。こうしたノウハウは将来、同じような環境で万博を開催する際の参考となるだろう。全面的なキャッシュレスについても、日本社会では、これだけ大規模な実験はほぼ初めてだった。大きな障害もなく運営できたことに意味がある。

 難しい環境で、これだけ大きな国際イベントを主催国としてやり切ったことは、大きな自信や誇りにつながる。国際的にも大きな影響力を持つのではないか。【聞き手・岡崎英遠】

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