【LastDay】万博最後の1日に密着 ミャクミャクから最後のメッセージ

 184日間の会期中に計2500万人超が訪れた大阪・関西万博が13日、閉幕した。

 最後の日も、万博を象徴する大屋根リングや、人気者へと成長した公式キャラクター・ミャクミャクが来場者たちを迎えた。各パビリオンには長い列ができた。

 午前8時40分。予定より20分早く会場のゲートが開くと、来場者たちは一斉にお目当てのパビリオンをめざした。

 ルクセンブルク館はすぐさま「4時間待ち」の案内が出た。

 砂漠の赤い砂22トンを持ち込んだヨルダン館も好評だった。アフマド・ジョブラーン館長は「寂しさはあるけど、楽しみも。これは(交流の)スタート。感謝でいっぱい」と言う。

 戦禍が続くウクライナのインナ・イリナ館長(46)は「ウクライナの人たちはみんな頑張っている。個人のストーリーを伝えられたと思う。ウクライナのことを忘れないでほしい」。

 「万博おばあちゃん」こと山田外美代さん(76)の姿もあった。

 9月には「万博を訪れた最多日数(648日)」で、ギネス世界記録に認定された。愛知万博などに続き今回も皆勤を達成した。

 「今までの万博の中で一番コミュニケーションがとれた。万博は終わっても、また次の万博で会いに行くから寂しくはないです」

 しかし、運営面では問題もあった。

 蚊に似た羽虫ユスリカが大量発生したり、大阪メトロが運転見合わせとなって会場内で一夜を明かしたり。

 さらに、9月中旬には閉幕日までの来場予約枠がほぼ埋まり、チケットはあるのに入ることができない人が続出した。

 大阪府の吉村洋文知事は、閉幕を前にした朝日新聞のインタビューに「危機感と緊張感の連続でこの間やってきた」と振り返る。

 運営費は「黒字」見込みという。

 グッズ売り上げなど収支面でも大活躍したのがミャクミャクだ。

 「何だか怖い」と否定的な声もあったところから人気者に変わっていった。朝日新聞が、ミャクミャクに質問を送ると、感謝を伝えるメッセージが届いた。

 最後の日。夕暮れが近づくと、ミャクミャクや関係者らは大屋根リングの下をパレード。手を振り、ありがとうを伝えた。

 お目当てのパビリオンに入場できなくても、大屋根リングの存在が来場者を救った。

 158の国と地域の人々が参加した万博は、最終日に公表した宣言で「多様でありながら、ひとつ」をアピールした。

 午後10時。万博は終わりを告げたが、世界各地の関係者らは余韻に浸っていた。

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 朝日新聞デジタル版で、大阪・関西万博の閉幕日の一日を追ったドキュメンタリー動画「Last Day」をご覧いただけます。

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