ヤンマーパワーソリューションの尼崎工場(14日、兵庫県尼崎市)

ヤンマーホールディングス傘下で大型エンジンの開発などを手掛けるヤンマーパワーソリューション(兵庫県尼崎市)は14日、2030年度のエンジンの生産台数を9900台と、25年度の見通しと比べて2割増産する計画を発表した。船舶向けの脱炭素化やデータセンターの非常用発電機向けなどをてこ入れし、旺盛な需要に対応する。

24年度の大型エンジンの生産台数は7661台で、25年度は8235台を見込む。ヤンマーはデータセンター向けなど大容量の非常用発電機を25年度に国内で発売し、今後は新たな工場も新設する方針だ。

ヤンマーパワーソリューションの廣瀬勝社長は「船舶用も含めて全般的にエンジンを2割増産する見通しだが、その中でもデータセンター向けを含む陸用エンジンは引き合いが多く、(増産の)割合としては大きくなるだろう」と話す。

船舶用のメタノールエンジンは26年の市場投入を目指している(14日、兵庫県尼崎市)

ディーゼル燃料などと比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないメタノール燃料の船舶用エンジンも開発しており、26年に市場へ投入する方針だ。メタノールよりもさらに環境負荷が小さいアンモニア燃料のエンジンについては、30年度頃のエンジンの事業環境を踏まえて商用化時期を判断するため、今回の増産計画には織り込んでいない。

【関連記事】

  • ・ヤンマー、データセンター向け非常用発電機 工場新設で増産も
  • ・ヤンマー、大型エンジンの新会社が事業開始 意思決定を迅速に

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。