17日閉幕したCEATEC2025(14日、千葉市)

国内最大級のデジタル技術の見本市「CEATEC(シーテック)2025」が17日、閉幕した。千葉市の幕張メッセで4日間にわたり開催し、来場者数は9万8884人だった。前年から12%減り、目標だった10万人に届かなかった。前年にジャパンモビリティショーと併催して来場者が増えた反動が出た。

出展者数は810社・団体と07年、01年に次ぐ過去3番目の水準だった。ただ、スマホやテレビなどが主役だった時代と比べて、目玉がわかりづらくなってきている。今年は人工知能(AI)という共通テーマはあったものの、用途は製造現場の効率化から住生活の改善と多種多様だ。

ある出展者は「以前に比べて製品系よりも技術の展示が多めになっていて、来場者に伝わりづらいのでは」と原因を分析する。

シーテックの鹿野清エグゼクティブプロデューサーは「体験型の展示が増え、これまで以上に来場者の方々には、AIが身近に感じられたと思う」と成果を強調した。富士通のAIゴルフ指南やNECの運転走行の分析など、一目でわかるデモンストレーションの注目度が高かった。

今年は家電や住宅、化粧品業界から複数の初出展があり、傘下企業の裾野が広がった。NTT傘下のNTT ExCパートナー(東京・千代田)はヤマダホームズのブースで「話す家電のリモコン」を披露した。AIを搭載した女の子のキャラクターをテレビに表示し、会話を通じて家電を制御する。

シーテックは新たな役割として、ビジネスパートナー探しの場となることを掲げる。アビームコンサルティングが用意した企業マッチングの「共創体験ツアー」は19件の利用があり、延べ50社以上のスタートアップとマッチングを実施した。

アビームによると、利用企業は自社の強みを生かした新用途・新市場の探索、設計や生産の効率化などに課題を抱えている。同社は「どのスタートアップと組むべきかという目利きへの期待が非常に高いと感じた」としている。 

来年以降の開催について鹿野氏は「ジャパンモビリティショーとの併催にとどまらず、親和性のある他の展示会との連携もさらに模索したい」と話した。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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