光ファイバーを利用して地中の空洞の有無を調べる=NTT提供

NTTと産業技術総合研究所は21日、道路の陥没リスクを早期に検出する手法を開発したと発表した。すでに敷設されている光ファイバー網を使い、地中の空洞の有無を調べる。調査頻度が増えるため早期に空洞を発見でき、道路陥没などの事故の防止につながる。2026年度末の実用化を目指す。

道路などの既存インフラの老朽化は大きな問題となっている。経年劣化によって道路の下に空洞ができると、そこを起点にして陥没が起こる。現在は専用の道具を使って人が調査しているが、数年に1回の調査にとどまる。また地表から3メートルほどの深さまでしか調べられなかった。

NTTと産総研は、光ファイバーを使って常時監視する手法を開発した。既存の光ファイバー網は約62万キロメートルに達する。光ファイバーに特殊な装置を取り付け、車の通行や自然現象などで発生する地中の振動を検出する。空洞ができることによる振動の変化を捉える。25年7〜9月に茨城県つくば市などで実験し、地表から3〜30メートルの深さの振動を検出できた。

1日1回など高頻度に振動を読み取っておけば、新たに空洞ができて振動が変化したときにすぐに分かるため、道路の陥没リスクを減らせる。今後は実際の道路での実証を重ねるほか、振動検知の精度を高める。

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