熊本市電再生へ専門家会議初会合で挨拶する古関会長(22日、熊本市交通局)

熊本市は22日、路面電車同士の追突事故や脱線、信号無視など運行トラブルが多発している熊本市電を巡り、再生に向けた初の専門家会議を開いた。会議は交通安全や鉄道技術に詳しい各分野の専門家で構成され、市電の交通事業立て直しに向けた課題点や今後の対応方針など話し合った。2026年春にも対策などをまとめる予定だ。

市が立ち上げたのが「第1回熊本市電再生プロジェクトに関する専門家会議」。1回目となる会議では、熊本市電の組織や人員の現状、山積する諸課題について議論した。東京大学大学院の古関隆章教授が会長に就いた。

熊本市電は街のシンボルでもある(熊本市)

会議は今後、将来の目標利用者数や輸送力設定のほか、職員の過半数が非正規であり採用や育成、昇進など労務問題も議論する。車両や軌道など維持管理や必要な更新などハード面に加え、外部によるチェック体制なども話し合う。26年1月と3月にも同様の会議を開き、運行体制や収支の見通し、安全対策などをとりまとめる。

古関会長は会議で「市電は市民の信頼を揺るがす残念な状況にあり、第三者から提言や検証をして地域交通の未来につなげたい」との考えを示した。

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