オイシックスが発売した高温耐性米(23日、東京都品川区)

食品宅配サービスを手掛けるオイシックス・ラ・大地は23日、暑さに強い高温耐性米を発売した。2025年から「こしいぶき」「新之助」など5品種を追加し、24年の7品種から12品種に増やした。販売量は昨年比で1.5倍にする。通常の銘柄米と比べて粒が大きく品質が劣化しにくい点を訴え、高級米を求める消費者を開拓する。

23日からオイシックスのオンラインサイトで販売を始めた。最も安い石川県産「にじのきらめき」の場合、1袋2キログラムあたりの価格は3002円。3品種をセットにした300グラムの小袋や2キロの食べ比べセットも用意し、価格はそれぞれ1852円と9213円。高温耐性米になじみのない消費者が気軽に購入しやすくした。

農林水産省が17日に発表した全国のスーパーマーケット約1000店舗で販売される銘柄米の平均価格は5キロ当たり4000円台だった。オイシックスが販売する高温耐性米は2キロ当たり3000円台とキロ単価は約2倍となる。高級米としてスーパーなどが扱う商品と差別化する。

オイシックスは2023年に自社のオンラインサイトで高温耐性米の販売を始めた。高温耐性米は猛暑や雨が少ない気候でも安定して収穫でき、稲が倒れにくいのが特徴。粒が大きいこともあり、通常の銘柄米と比べて同じ環境で育てた場合の収穫量は3割程度多いという。高温下でも品質が劣化しにくく、粒の大きさなどが優れた1等米になりやすい。

オイシックスの冨士聡子執行役員は「今後も高温耐性米の取り扱い品種を増やしていき、自社のオンラインサイト以外の販路も検討する」と話す。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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