スイス金融大手UBSのロゴ(5月1日、スイス・チューリヒ)=ロイター

【パリ=北松円香】スイス金融大手UBSが29日に発表した2025年7~9月期決算は純利益が前年同期比74%増の24億ドル(約3700億円)だった。引き続き富裕層向け事業や資産運用部門で資金が流入し、手数料収入を押し上げた。

良好な市場環境を背景に、顧客からの資金流入が続いている。運用資産は6兆9000億ドルと前四半期に比べてもさらに4%増えた。富裕層向け事業は営業利益が13万ドルと前年同期比25%増だった。

23年に買収した同業のクレディ・スイス・グループの事業統合も順調だ。スイスの顧客の口座のうち、3分の2以上はUBSのシステムへの移行が完了した。2026年末までに総額130億ドルのコスト削減を目指しており、すでに100億ドルを達成した。想定より速いペースだという。

今後の投資環境については各資産のバリュエーションが上昇しており、顧客は下落リスクへの備えに力を入れ始めていると説明した。関税問題や米政府閉鎖を不透明要因として指摘した。

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