
ヒューマノイドロボットの開発支援を手掛けるINSOL-HIGH(インソルハイ、東京・千代田)は30日、千葉県市川市にある東京納品代行の物流倉庫内において、ロボットによるピッキング作業の実証実験を公開した。ロボットが作業を代行することで、人手不足の解消につなげる。
実験では、かごの内部にある商品を別のかごに移す動作に問題がないかを検証した。5回までのやり直しを認める条件の下で300回ほどの試験を重ねた結果、97%の精度で作業が完了したという。
中国の人型ロボット新興企業、智元機器人が開発した機体とデータセットを利用した。同社が構築したデータセットに対し、倉庫で100回ほどヒューマノイドロボットを動かして取得したデータを追加し、人工知能(AI)モデルに学習させた。
東京納品代行は、導入時期や導入規模などを未定としている。同社の嶋田亮司取締役常務執行役員は「人間は1日8時間しか働けないが、ロボットなら24時間365日稼働できる。導入にかかる費用をペイできるか、検証を続けたい」とした。
インソルハイは、ヒューマノイドロボットを自律的に動かすAIモデルの開発に必要なデータを集約する基盤「REAaL」の構築を手掛ける。2026年春に稼働予定の拠点において、企業の要望に応じて実際にロボットを動かし、データを取得する。データを集約することで、より効率的にAIを開発できるようになるという。
インソルハイの磯部宗克代表は「(機械学習に使う)高品質のデータを集められれば、ヒューマノイド市場における日本の勝ち筋の一つになる」とみている。
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