
水処理大手の栗田工業は30日、先端半導体など電子産業向けに、従来より納期を約30%縮めた水処理設備の受注を始めたと発表した。技術開発や販売を担う新会社も立ち上げた。半導体向けを中心に企業の設備投資が伸びており、納期短縮が見込める新製品の投入で需要を取り込む。
同社傘下のフラクタリープ(東京・新宿)を通じ、新会社「インクウォーター(同)」を設立した。先端半導体の製造工程などで使われる超純水の新型製造設備を手がける。新技術では超純水設備を細分化した8つのユニットを用意。顧客の要望に応じ、設計時に設備のユニットの組み替えや増設をしやすくした。
従来の手法では、顧客の要望を受けてゼロから設計していたが、ユニットを使った構成にすることで、こうした初期の時間短縮につなげる。栗田工業によると、見積もりから完工までの期間を30%ほど減らし、コストも抑えられるという。
半導体や液晶など電子産業のうち、主に中規模の設備需要を見込む。遠隔での運転管理の支援にも対応する。
半導体向けの設備投資が活発な一方、超純水のような水処理の設計・建設の現場では、人員や供給体制の確保が課題となっている。新たな仕組みを通じて設計を効率化し、より多くの需要に対応できるようにする。
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