住友電工は「火星」をテーマにした先端技術を紹介する

住友電気工業は30日に東京ビッグサイト(東京・江東)で開幕した「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」に出展した。水素社会の実現に貢献する技術を提案するほか、極限環境である「火星」をテーマに宇宙での生活を支援する先端技術なども紹介している。企業とのビジネス連携につなげるための情報発信の場とする。

火星は大気の約95%が二酸化炭素(CO2)で気温も低く、生活するには過酷な環境だ。住友電工は火星での生活を支援できるとして、水から水素と酸素を製造できる水電解装置「AEM型水電解セルスタック」の開発を進める。従来製品と比べるとレアメタル(希少金属)を使わない設計のためコストを圧縮できるという。

すでに中国やインドなどで展開している下水や工場廃水をろ過するシステムと合わせて提案する。生成された酸素は次世代の移住地として注目される火星での生活向けに提供する。同時に製造できる水素は水素エンジン向けに活用してもらい、循環社会の実現を支援する。

火星の生活で必要な水や空気などを供給できる装置の開発を進めている

宇宙モビリティー関連では衛星用ヒートシンクや宇宙機用電線などの技術も披露した。統合企画部の沢田滋主幹は「米電気自動車(EV)大手テスラなどが火星に注目しており、宇宙ビジネスは熱を帯びている。モビリティーとエネルギー技術を融合させて事業拡大につなげていきたい」と述べた。

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