ANAホールディングス(HD)は30日、2026年3月期の連結純利益が前期比5%減の1450億円になる見通しだと発表した。従来予想(20%減の1220億円)から230億円上方修正した。日本郵船傘下で航空貨物輸送を手掛ける日本貨物航空(NCA)を買収し、8月から連結決算に組み入れたことが寄与する。
売上高は10%増の2兆4800億円、営業利益は2%増の2000億円とそれぞれ1100億円、150億円引き上げた。
ANAHDは今後、NCAが持つ大型貨物機を使い、アジアから北米や欧州に向かう半導体や生鮮品など高利益率が見込める貨物の輸送を増やす。
同日発表した25年4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比8%増の1兆1904億円、純利益が6%減の760億円だった。純利益は事前の市場予想の平均(QUICKコンセンサス、709億円)を上回った。
アジアからのインバウンド(訪日外国人)需要や欧州向けのビジネス客需要が堅調で、25年4〜9月の国際線旅客数は前年同期比10%増の429万人だった。
増収を確保したものの、利益段階では前年同期から為替差益が縮小した影響も出た。整備費や人件費などのコストも増えた。
国内線はレジャー客を取り込み旅客数が2256万人と4%増えたものの、高単価なビジネス客が新型コロナウイルス禍前と比べて戻りきらない。燃料費などの上昇を補助金なしにコスト増を吸収しきれておらず収益構造の改善が課題になる。
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