豊田織機が開発する産業機械向けのリチウムイオン電池(30日、東京都江東区)

豊田自動織機は30日、フォークリフト向けのリチウムイオン電池を開発すると明らかにした。現在主流の鉛蓄電池に比べて長寿命化や充電時間の短縮が見込め、比亜迪(BYD)などの中国勢がフォークリフトで採用している。豊田織機は産業機械向けに開発し、2030年ごろの市場投入を目指す。

東京都内で開催中の「ジャパンモビリティショー2025」で出展している。豊田織機は車載電池を手掛け、トヨタ自動車の9車種で採用されている。技術統括の経営役員、一条恒氏は30日の報道発表で「独自の材料、解析、量産技術を生かし、産業用途に最適化する」と述べた。

産業用機械向けリチウムイオン電池は高い出力が求められ、材料などのコストとの両立が課題になる。鉛蓄電池よりも寿命が長くなるため、利用期間全体で見るとコストを抑えられる可能性がある。

フォークリフトは約7割が電動化し、今はほとんど鉛蓄電池が搭載されている。ただ、リチウムイオン電池を用いる中国勢が台頭しており、豊田織機も開発に乗り出す。フォークリフト以外でも発電機や建設機械、農業機械などの用途も想定している。

2輪の搬送ロボットも初めて展示する(30日、東京都江東区)

モビリティショーでは2輪の搬送ロボットも初めて展示し、実演を通じて動作の様子を公開する。狭い場所でも作業でき、省力化したい工場などでの利用を想定している。

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