
イビデンは30日、2026年3月期の連結純利益が、前期比10%増の370億円になる見通しだと発表した。従来予想を30億円上回る。主力の半導体関連部品「ICパッケージ基板」事業で、生成AI(人工知能)用サーバー向けなどの受注が想定を上回っていることを織り込んだ。売上高は従来予想を50億円上回り、前期比14%増の4200億円となる見通しだ。
同日発表した25年4〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比8%増の1954億円、純利益が8%増の220億円だった。26年1月1日を効力発生日とし、株式1株を2株に分割することも決めた。
25年4〜9月期の配当は普通配当20円に加えて、大野事業場(岐阜県大野町)での量産開始を受けた記念配当10円を実施し、あわせて30円とする。31年3月期まで年間配当40円(株式分割前)をベースに、原則減配しない方針に変更することも決めた。
同社は生成AI用サーバー向け製品の生産拡大に取り組んでいる。10月には高機能製品を担う大野事業場が本格稼働した。河島浩二社長は「生成AI用サーバー向けの需要は、生産能力を上回っている状況が続いている」という。その上で「大野事業場は今年度末をメドに、現在の設備でのフル生産を予定している。27年度には建屋の空きスペースも活用して、さらに生産能力を高めたい」とした。
トランプ米政権の関税政策の影響は限定的だった。主力のICパッケージ基板の事業についてはアジア向けの出荷が大半のためだ。自動車向けなどを扱うセラミック事業では多少の影響があったが、取引先が関税分の価格転嫁を受け入れたり、イビデンとして出荷先を変更したりするなどの取り組みを進めている。「長期的に大きな影響は出ないだろう」(河島社長)とみる。
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