東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAが31日発表した2025年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比12%増の1562億円だった。火力発電所の燃料となる天然ガス価格などの下落が電力の販売価格に遅れて反映される「期ずれ」で一時的な利益が出た。米国のガス火力発電所権益の売却益も寄与した。

売上高は7%減の1兆5298億円、期ずれ影響を除いた実力ベースの純利益は27%減の891億円だった。今夏に碧南火力発電所3号機(愛知県碧南市)が設備トラブルで一時停止し、代わりに効率の悪い設備を使ったことで国内火力事業の費用が増えた。

26年3月期通期は、連結純利益が前期比39%増の2000億円とする従来予想を据え置いた。国内火力事業は設備トラブルで下方修正したが、米国で出資するLNG拠点「フリーポート」の稼働時間が増えることで補った。

JERAは23日に約15億ドル(約2300億円)を投じて、米国でシェールガス田の権益を取得すると発表した。年内にも買収が完了する見通しで、第4四半期から決算に反映される。前川尚大財務戦略統括部長は「投資フェーズだからすぐに利益が出ないという事業ではなく、最初からかなりの金額が期待できる」と話した。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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