著名作品に酷似した動画生成が問題視されているオープンAIの「Sora」

小学館や講談社、KADOKAWAをはじめとする出版各社やマンガ・アニメの業界団体は31日、生成AI(人工知能)について「著作権侵害を容認しない」とする共同声明を発表した。米オープンAIが公開した「Sora(ソラ)2」で「ポケットモンスター」など日本の人気コンテンツに酷似した動画が生成され、問題視されていた。

出版社17社とアニメ製作の業界団体である日本動画協会(東京・文京)、日本漫画家協会(同・新宿)が共同で声明を出した。

ソラ2が著作権者が無断使用を拒否しない限り生成を続けるシステムを採用していたことについては「我が国の著作権法の原則のみならず、世界194カ国が加盟するWIPO(世界知的所有権機関)の著作権条約の原則にも反すると私たちは認識している」と批判した。「第二、第三のSora2とも言うべき新たな生成AIが登場することも容易に予見される」と懸念を示した。

共同声明では無断使用を拒否しない限り表示を続ける「オプトアウト方式」は権利侵害につながるとして、事前に同意を得る「オプトイン方式」を徹底するようAI事業者に訴えた。その上で生成AIの学習については①学習段階、生成・公表段階の両方でAI事業者が著作権法の原則に沿って権利者に必要な許諾を得る、②学習データの透明性を担保する、③権利者が利用を許諾した場合、権利者への適正な対価還元をする――などを求めた。

集英社も同日、「生成AIの利用の有無に関わらず、弊社の作品に関わる権利を侵害していると判断したものについては適切で厳正な対応をとっていく」とする単独の声明を発表した。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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