オープンAIのサム・アルトマンCEO=ロイター

【ニューヨーク=谷本克之】米オープンAIは3日、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と380億ドル(約5兆8000億円)のクラウドコンピューティングの調達契約を結んだと発表した。対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」の開発や運用に使う。提携する米マイクロソフトのサービスを主軸としてきたが、AI需要の急拡大に備え調達先を広げる。

インターネット経由で高性能な半導体を搭載したサーバーを利用できる7年間のクラウド契約をAWSと結んだ。オープンAIはチャットGPTの高度化に向けた開発や、サービスの運用にアマゾンのサーバーを活用する。大型の調達契約による提携は初めてという。

米エヌビディアの高性能AI半導体を搭載したサーバーを2026年末までに導入し、27年以降はさらにインフラの能力を拡張することも検討している。発表を受け、3日の米株式市場で米アマゾン・ドット・コムの株価は約4%上昇した。

オープンAIは2019年にマイクロソフトと提携し、同社のクラウド基盤を「Azure(アジュール)」を主なインフラとして使ってきた。チャットGPTの利用者は8億人に達し、利用者が急増しているほか、さらに強力なAI開発に力を入れている。開発や運用に使うインフラを増強する必要が出ていた。

オープンAIはインフラ調達に向けオラクルからの新規調達が報じられているほか、ソフトバンクグループなどと米国でデータセンター建設計画も進めている。

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