エレコムは21日、放送受信機器を手掛ける日本アンテナを株式交換で11月25日に完全子会社化すると発表した。子会社化した後はエレコム傘下のDXアンテナ(神戸市)と経営統合する。日本アンテナのテレビ放送用機器はインターネットの普及で苦戦するも、官需向け通信アンテナは成長が期待される。エレコムは買収で通信機器事業を拡大する。

日本アンテナ株1株に対してエレコム株0.465株を割り当てる。10月24日開催予定の日本アンテナの臨時株主総会を経て、同社は11月20日付で上場廃止になる見込み。

日本アンテナはテレビ放送や通信用のアンテナ機器などを手掛ける。インターネットの普及に押され、テレビ放送機器は地上デジタル放送の導入時をピークに市場規模が縮小し、今後もその傾向は続く。

24年3月期の連結営業損益は20億円の赤字(前の期は19億円の赤字)だった。埼玉県蕨市の工場を売却し、中国事業の譲渡を進めるなど経営効率化に取り組む。25年3月期は営業利益4億9000万円と黒字化したものの、部材の仕入れ原価や人件費の上昇が続き、抜本的な収益改善が必要な状況だ。

エレコムは17年に日本アンテナと同業のDXアンテナを子会社化し、セキュリティー事業に参入するなど事業領域を拡大してきた。両社の統合で製品開発や営業面の相乗効果を期待する。

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