米南部テキサス州オースティンでウーバーが配車を手掛ける自動運転車両

【ヒューストン=大平祐嗣】ライドシェア大手の米ウーバーテクノロジーズが4日発表した2025年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比20%増の134億6700万ドル(約2兆円)、純利益は2.5倍の66億2600万ドルだった。売上高を伸ばしたものの、本業のもうけでは市場予測に届かなかったことなどを受けて株価は一時9%安となった。

売上高の内訳はライドシェアやタクシー配車の移動部門が前年同期比20%増の76億8200万ドル、料理宅配「イーツ」など配達部門は29%増の44億7700万ドルだった。

純利益のうち49億ドル分は税務上の評価益、15億ドル分は株式投資の評価益によるものだった。本業のもうけを示す指標の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は33%増の22億5600万ドルだった。売上高などは市場予測を上回ったものの、調整後EBITDAは下回った。

決算を受けて4日の米株式市場で株価は一時、前日終値比で9%安の90ドルまで下がった。

ウーバーは既存のライドシェア事業で収益を上げる一方で、今後は自動運転技術を使った配車サービスなど新技術への対応が経営課題となる。

ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は「ウーバーの成長は加速し、史上最大級の乗車回数増加を記録した。勢いを強めるため人工知能(AI)と自律走行技術の可能性に投資している」とコメントした。

同社は米国のテキサス州やジョージア州などで米アルファベット傘下のウェイモと連携し自動運転サービスを展開している。自動運転についてコスロシャヒ氏は「供給基盤を構築する段階では損失が出る。今後数年間は黒字化しない」と述べた。

同社は10月には米半導体大手エヌビディアと欧州ステランティスと提携していた。エヌビディアの自動運転ソフトウエアを搭載した車両を開発し、ステランティスから5千台の供給を受けるという。

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