松屋の26年福袋発表会(5日、東京都中央区)

主要百貨店の2026年初売りに向けた福袋の内容が出そろった。乗馬体験や観光、チョコ作りなど「体験型」や「推し活」に注目した企画を打ち出し、消費を喚起する。物価高の中、通常より割安価格で購入できるお得品も目立つ。主要各社の初売りは1月2日以降を予定している。元旦を休業して従業員の休みを確保しつつ、ハレの日需要を取り込む。

松屋は店舗のある銀座地区と浅草地区を満喫できる福袋(11万円)を販売する。ホテルでの特別メニューのランチや人力車での浅草観光、銀座店でのオーダースーツ仕立てなどの体験を提供する。大丸松坂屋百貨店は大丸東京店(東京・千代田)で、和菓子作りや金継ぎなどメニューから選んで体験できる福袋(5千円)を発売する。

東武百貨店は乗馬体験を打ち出す。写真はポニー(5日、東京都豊島区)

東武百貨店は干支(えと)にちなみ、乗馬体験と記念撮影の福袋(5千円)を打ち出す。東京芸術劇場でのパイプオルガン演奏体験(2万260円)や稲作体験(同)も発売する。そごう・西武も乗馬体験(2026円)のほか、西武池袋本店(東京・豊島)でスキンケアやメークアドバイスなどを受けられる福袋を販売する。

高島屋は競走馬デビューを控えた育成馬から「推し馬」を選んで1年間馬主体験ができる福袋(2万260円)を販売する。購入者は北海道の牧場見学ツアーや馬主席での観戦などをできる。有名シェフのショコラ専門店「ル・ショコラ・アラン・デュカス」での工房見学やチョコ製造体験(1万1千円)も打ち出す。

高島屋は有名店でのチョコ作り体験の福袋を販売(5日、東京都中央区)

お得さをアピールする商品も多い。松屋は玄米や肉ケーキなど、最大約3万円相当の食料品が当たる「食の福ガチャ」(8千円)を発売。東武百貨店は約5万円相当の海鮮の舟盛り(約5〜6人前、2万260円)や1カ月間毎日1点総菜を選べるサブスク福袋(2026円)を打ち出す。高島屋は朝採れ野菜を1年間毎月配達する福袋(5千円)を販売する。

高島屋は朝採れ野菜の福袋を販売(5日、東京都中央区)

物価高騰が続く中でも、特別な体験や自分の好きな物への投資は惜しまない消費傾向が目立つ。お得さとぜいたく体験の両方を打ち出しながらハレの日需要を開拓する。

主要各社の26年初売りは軒並み1月2日もしくは3日に決まった。従業員の就業環境の改善が主な目的だ。今年23年ぶりに2日を休業日とした高島屋は「従業員と来店客ともに好評だった。(新習慣が)定着しているのでは」と語る。今回49年ぶりに2日を休業する東武百貨店は「リフレッシュして3日の初売りに臨む。前年実績超えを目指す」と意欲を示した。

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