日本大学三島高校・中学(静岡県三島市)の非常勤講師らで作る日大三島ユニオンが5日、記者会見を開き、非常勤講師の待遇改善を求めて、有志組合員が授業のストライキを実施予定だと発表した。賃上げの申し入れ先である学校法人日本大学が要求を受け入れれば、即刻中止する。
ユニオンによると、非常勤講師の給与は授業1コマあたりの金額が決められ、年収200万円程度。20年以上ベースアップがない。また、私立学校の教職員は私学共済に加入して厚生年金などを受け取るが、「学校法人側は条件を設け、非常勤講師の加入を認めていない」とも話した。多くの非常勤講師は部活動の担当も含め週5~6日出勤。授業の間隔が空けば学校で待機するため「実質的にフルタイム勤務」にあたると主張している。
会見でユニオンは「物価高騰に対応しておらず、安心して暮らせない」と訴え、来年度から非常勤教職員の給与を15%引き上げるよう要求したと発表。学校法人側が要求を受諾しない場合、非常勤講師9人が25日、高校1~3年生の10クラスで、授業の冒頭15分間ストライキすると通告した。会見した非常勤講師の林直紀さんは「生徒に申し訳なく、本当はストライキもやりたくない。それでも厳しい状況について伝えたい」と理解を求めた。
日大広報部は「ストライキで生徒に不利益が生じないよう対応する。非常勤講師の賃上げ要求に関しては、今後も誠実に協議を続けていく」と回答した。【藤渕志保】
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