平和堂と三菱UFJ銀は12月から個人向け銀行サービスを共同で始める(6日、大阪市)

滋賀県を地盤とする総合スーパー(GMS)の平和堂と三菱UFJ銀行は6日、12月から個人向けの金融サービスを共同で展開すると発表した。専用アプリ「HOPBANK」を使って平和堂の顧客を対象に預金や住宅ローンなどを受け付ける。小売りと金融の両面から個人との接点を広げ、互いの顧客基盤の強化につなげる。

平和堂の平松正嗣社長は同日、大阪市内で開いた記者会見で「モノの消費だけでなく、家計を含めたライフプラン全体を通して地域に貢献していきたい」と述べた。三菱UFJ銀の早乙女実副頭取は「日常の買い物と金融を融合し、業界の垣根を越えた新たな顧客体験を創出したい」とした。

「HOPBANK」は、平和堂の会員システム「HOP」の登録者を対象としている。口座開設から始まり、多様な個人向け金融サービスの手続きをスマートフォン上のアプリで完結できる。

平和堂と三菱UFJ銀が開発した金融サービス専用アプリ「HOPBANK」

給与や年金の受け取り、口座振り替えやローンの支払いといった日々の取引に応じて、平和堂の店内で使うことのできる「HOPポイント」を付与する仕組みも導入する。12月1日のサービス開始から約3カ月の期間限定で、口座開設や入金など一定の条件を満たせば、最大で8100ポイント(1ポイント1円相当)が手に入るキャンペーンも実施する。

HOPの会員数は約420万人に上る。特に30〜40代のファミリー層は住宅購入や教育資金の準備などお金に関わる多様なニーズを抱えている。こうした顧客へのサービスを充実させる。

平和堂が三菱UFJ銀を所属銀行とする銀行代理業の許可を取得することで今回のサービスが可能となる。三菱UFJ銀は2023年から自前の金融サービス基盤を異業種に広げる「Baas(バンキング・アズ・ア・サービス)」に力を入れている。バンダイナムコエンターテインメントや不動産仲介サイトのツクルバと協業してきたが、小売業とは初となる。

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