EVを充電している様子

三菱商事系の新電力、MCリテールエナジー(東京・千代田)や三菱自動車などは6日、家庭用の電気自動車(EV)の充放電を自動で制御する実証を始めたと発表した。専用の充電器を設置する。電気代が安い時間に充電し、電気代が高い時間に卸電力市場で売電し、家庭の月々の電気代を抑えるサービスを検討する。

EV所有者は専用アプリでフル充電の完了希望時間などを事前に入力する。所有者の意向と卸電力市場の価格推移などを基にシステムが充放電を自動で調整する。電気代が安い時間帯に充電し、価格が上がる時間帯には送電線に送り、市場に売る。

MCリテールエナジーと三菱自動車、エネルギー関連のシステム開発などを手がける英カルーザなどが共同で取り組む。期間は11月から2026年3月まで。東京電力管内にあるEV10台を対象に実証する。

MCリテールエナジーは市場と連動して30分ごとに電気代が変わるプランを提供する。市場価格が高い時間に充電を避けるほか、売電して得た利益を還元して電気代を抑える。

再生可能エネルギーの導入拡大などで電力の需給バランスの乱れ、再生エネ発電を一時的に止める「出力制御」が頻発する。26年度から電力の需給を調整し報酬を得る「需給調整市場」でEVや小型電源などを取引できるようになる予定で、MCリテールエナジーなどは経済性などを確かめた上で商用化を検討する。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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