東急田園都市線で10月に発生した列車同士の衝突・脱線事故を受けた緊急点検で、JR東日本は7日、管内の2カ所で信号システムの設定ミスが見つかったと明らかにした。京浜急行電鉄も同日、管内の29カ所のうち、京急川崎駅(川崎市)の1カ所で同様の設定ミスがあったと発表した。

いずれも事故につながったケースはなく、改修を終えるまでの間、当該箇所の使用を中止するとしている。

JR東で設定ミスが見つかったのは上越線水上駅(群馬県みなかみ町)と高崎線熊谷駅(埼玉県熊谷市)の2カ所。同社によると、線路を切り替える分岐器付近で、列車の停車位置によっては車両同士が接触する恐れがあった。設定の誤りは旧国鉄時代から続いていたという。

緊急点検は、東急田園都市線の事故を受けた国土交通省の指示によるもので、事故原因とみられる信号システムの設定にミスがないか全国の鉄道事業者が調べている。

JR東は4日時点で、新幹線34駅と在来線128駅で点検を完了。残りの在来線約730駅については26年9月末までに終えるとしている。

東急田園都市線の事故は10月5日、梶が谷駅(川崎市)で発生。駅ホームに入ろうとした普通列車が、車庫に向かう引き込み線の途中で停止していた回送列車と衝突し、回送列車の最後尾の車両が脱線した。

東急電鉄は事故後、同様の信号システムを設置している駅を点検したところ、設定ミスが他の2駅の計3カ所でも見つかった。

【関連記事】

  • ・東急田園都市線の事故原因、信号システム設定の不備 全国で点検
  • ・全国の鉄道事業者にシステム点検指示 国交省、東急田園都市線事故受け
  • ・東急田園都市線衝突、二子玉川駅と新横浜駅の計3カ所でも信号設定ミス
  • ・東急田園都市線衝突、信号システムに設定ミス ATC作動せず
  • ・東急田園都市線・梶が谷駅で列車衝突、脱線 乗客149人けがなし

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。